けいれん性発声障害とは
声が出ない!!!
ツライ!!!
人によって症状の差はあるみたいで、ワタシはお医者さんに「低」「中」「強」でいうと「中」程度だと言われた。
何がどうなって声が出ないのかっていうと…
声を出すときって、両側の声帯がぶつかってビビビって振動して、そのビビビが声になってるわけです。
でも、ビビビが正常に行われなくなってしまう。
すると、声帯同士が触れてる(音が出る)はずのところで触れず、触れないはずのときに触れたりする。
そして声が泣いてる時みたいに震えてしまって、詰まって、うまく出ない。
だから、まず物理的には、空気が出るはずのところで出て行かないので、ちょっと苦しい。
なにより、精神面がしんどい。
日常的にうまく声が出ないというのは、こんなにツライことだったのかと思った。
これになった時、館内アナウンスのバイトしてたんだけど…アナウンスの声が詰まって震えてしまって、しんどかった。
接客もしてたので「ありがとうございました」って言いたいときに
「…ぃがと…ござ…た…」みたいになっちゃって、お客さんにはなんか変な顔されるし、でも自分でも原因わからないしで、どんどんノイローゼみたいになってきてた。
で、そのお仕事はやめてしまった…
更に悪いのが、この、結構症状が顕著に出てるタイミングですら、耳鼻咽喉科に行っても「異常なし」の診断をもらい続けていたこと。
どこ行っても「メンタルじゃないですかね…」って言われた。
ムダに色んなのど飴とかも試してみてた。
この経験があるので、何かしらの身体の不調に対して、お医者さまの「メンタル疑い」はまあまあ信用していないwww
妹も、ずっと「お腹が痛くて下痢っぽいんだよね」…って言ってて、お医者さまには数年間「メンタルです」と言われていて、色んな病院に行っていたんだけど、かなり経ってから、「潰瘍性大腸炎」だと分かったことがある…w 安倍さんと同じやつね。
なかなか診断されない病気
声が出ないということに対して、メンタルを疑われ続けていたのは、単純に「珍しい病気だった」から!
お医者さまも、知らなかったっていう。
声帯の写真を撮っても、見た目上はキレイで、全然問題がないから、わかりにくい。
↓いかがわしい写真ではありませんワタシの声帯ですwww

じゃあいつ診断されたのかっていうと…
そういう、声が出ないな~っていう症状が続いてて、でもお医者さま行っても「メンタルです」って言われてて、メンタルなのかな…ワタシが悪いのかな…ってヘコんでたとき。
ちょいちょい、自分でもネットで色々調べてみるわけです。
何のフックか忘れたんですけど、「けいれん性発声障害(SD)」っていうのがあるんだって知った。
掲載されてた症例の音声を聴いて、「あれ?これじゃない???」ってなった。
で、それを診断できて手術できるお医者さまが、日本に「2人」しかいないんだって見た。その当時ね。
東京と、京都。
まあ行くなら東京か…と思って、東京の病院に行ったら、そちらのお医者さまに「けいれん性発声障害」の診断を貰えた。やっぱりね。
神か!!!って思った。それまでずっとメンタルメンタル言われてたからさあ…w
メンタルじゃなかったっていうのでだいぶ気分が楽になったし、これからどうしたら治るのかっていう道筋も見えたから、本当によかった。
治す方法
基本的に自然回復はしないので、根本的には「手術」のみ!
もう一つ、場当たり的なもので「ボツリヌストキシン注射」っていうのがあって、猛毒を喉に入れるというもの。美容のシワ取りとかにも使われているね。
これで喉の筋肉を動かさないようにして、とりあえず声を震えさせないようにする…っていうものだったような。
注射はやったことない。
かなりまれに自然回復もするみたいなんだけど、ほぼ無くて、期待はできないレベル。
注射も1回数万円だとかでコストかかるし、自然に治るものでないなら、出来るだけ早く手術したほうがよくない?って思ったので、すぐ手術した。
手術:一週間声を出せない
喉の骨を切開して、ちょっとスキマを開けた状態でくっつけて、医療用チタンで動かないように押さえる…みたいな感じ。
だから今もワタシの喉にはチタンがハマっているよ。
その、「どのくらいスキマが開いていれば一番声が良く出るか」っていうのを、手術中に「あー」って声を出しながら確認していく。
それで、いい所で縫合する。
縫合された後↓
透明テープで保護されているね。

手術の後は、一週間入院。
その間、一切、声を出してはいけないということになっているので、ホワイトボードが渡されて…「お茶ください」とかは全部筆談w
あとまあジェスチャーでなんとかなるね…
入院中、病院で朝昼晩ってゴハン出してもらえるよね。
飲み込むたびに傷がズキズキするんだ…
でも意地で全部食べた!!!
点滴でもいいって言われた気がするんだけどやらなかったw
一週間後に抜糸して、あーって声を出してみて、問題なかったので帰宅!
術後の声が変わる
ワタシの場合は「元の地声より少し高くてハスキー」な声になりましたw
まあYouTube動画観てもらえれば、変化後の声は分かるね!
元々は結構これよりかなり声が低くて、でもキンキンしてるみたいな感じだった。
手術してからすぐは、「ソ」の音でしか喋れなかった。
ロボットの「コンニチワ」みたいな…音程が取れないから、つまりイントネーションが作れなくて、一本調子になる…w
「橋」と「箸」の発音の差が作れない。
手術後から半年くらいは…大きい声を出せなくて、出せないっていうのは「機能的に出ない」。
だから居酒屋さんとかで店員さんを呼べないw
「すいませーん!」って言っても声がカスカスしてるから全然声が張れなくて、そこでもまたメンタルがしんどい。
手術後から2~3年くらいは、10分くらい会話を続けていると喉が痛くて仕方なかったけど、今はそこまでではない。
喉が痛いっていうのは、カゼの時のヒリヒリとかじゃなくて、首の筋肉が極端に疲労してくるみたいな…感じ…w
リハビリ通ってた
1か月に2回…くらいのスパンだったかな…?
都内の病院の、音声なんとか…っていうリハビリのところに通ってた。
首まわりのストレッチと、ピアノを使ったよくある「あーあーあー♪」みたいなアレ。
効果があったのかどうかは分からないけど…
通ってるうちに、いい感じに声は出るようになった。
結局「治った」のか
治ったと言っていい!!!
日常的に気になることもないし…
チタンがハマってるのはいつもは忘れてるし。
たまに、鏡見たときに「切開の跡」が喉に横一直線に入ってるので、アッて思うくらいw
切った跡は消えてない。加齢のシワみたいに見えてヤダっていうのはあるwww
絶望的かな~と思ってた、カラオケとかも、まあ大丈夫。
かなり高い声も出るし、まあまあ、いいかな、っていう感じ。
前の声の出し方ではうまく歌えないから、声が詰まるみたいな時もある。ちょっとだけしんどい。
だから…歌手の人とかは…かわいそうだけど、完全回復とはならないと思うね…人によるとは思うんだけど。
でも、今でも、長く…1時間くらい? 声を出してると、やっぱり、喉が痛くなってくる。これはもう、これからもそういうもんだと思う。
手術前は全然そういうの無くて、ずっとしゃべり続けられた…w
まとめ
原因不明で、自然回復しなくて、とにかくうまく会話できないことでメンタルがやられてゆく…
手術したとしても、前のように完全に戻るわけではない…
しかも「ある程度戻る」にも時間がかかる…
うーんw
予防できるものではないから、突然雷に打たれるような災難で、仕方がないものだとは思う。
周りの人のサポートがあると、ありがたいと思うな。
ワタシは…「ちょっと声の病気で手術して…」って言っても、あんまり、理解されることがなかったような気がするから…w
おわり。